再掲:AP部門について考えた

2018年の全日本ヨーヨー選手権大会にて、AP部門。つまりアート&パフォーマンス部門の開催が発表されました。

これは僕がすごく待ち望んでいた展開でして、国際大会では行われているAP部門が、ヨーヨー先進国の日本で行われていない現状や、プレイヤーの少なさの打開策として一番やるべきことだと思っていたからです。

その記念すべき発表に触発されまして、以前ブログで書いた「AP部門とはなんぞや?」という記事を再度ここに掲載しまして、少しでもAP部門参加者が増えるきっかけになればいいなと思います。

長文です。

■前置き

先日某方とヨーヨー業界のこれから、パフォーマンスについてなどいろいろとお話をしていました。
その中で、AP部門についての話になったのですが、AP部門の面白さや可能性を改めて感じていました。

■AP部門とはなんぞや

よく知らない方の為に説明すると、AP部門というのはアーティスティックパフォーマンス部門といいまして、平たく言えばヨーヨーをつかったパフォーマンスで勝負する部門です。

(※2016年からアート&パフォーマンス部門と改名されました。)

そんなAP部門は世界大会が一番大きな大会で、他はヨーロッパやロシア、意外と知らないところでちょろっと行われているみたいです。

我らが日本は?となると・・・
特になにも行われていません。
世界大会の決勝進出者の半数が日本人だったりするわけですが、日本では何も行われてないのです。
これってなんででしょうね。
そう思って考えてたんですが、私の結論は「やる人がいない」です。

他の競技部門には圧倒的多数の大会に出場する競技者以外のファンプレイヤーが沢山いてYOUTUBE等の動画サイトで自分のトリックを披露して楽しまれてますが、ことパフォーマンスに関してはファンプレイヤーが圧倒的に存在しません。
そもそもパフォーマンスをする機会が少ないので、パフォーマンスについて考えることもないし、トリックを開発してたほうが楽しいし、それで何も問題ないわけです。
なのでAP部門をやる人がいないっていうのはすごく当然のことになるわけで。

私はヨーヨーを深く知ってる人間だからヨーヨーの競技は楽しいし、トリック動画をみて興奮するのですが、普通の人からしたらスゲーとなって終わり。たまに興奮してヨーヨー始めちゃう人がいるぐらい。

良く聞く意見として、競技は違いが分からないから飽きてくるという話でした。
そこでAP部門みたいなバラエティーに富んだパフォーマンスが楽しいと。
なるほど、それも納得できる意見だと。
世界大会はいいけども、日本で、JNでやれたらもっとパフォーマンス、ヨーヨーが楽しいものとして見てくれるかなぁ・・・
ということでAP部門、パフォーマンスする人がもっと増えて欲しいと思ってます。
そしてそのパフォーマンスが広り、一般の人にもエンターテイメントとして認知されたら嬉しいなと。
なのでヨーヨー競技の先進国である日本でもAP部門が開催されてほしいのですが、

やってもおそらく競技者が少ない。
全体的なレベルが低い。

など、おそらく色々と不安要素があって開催には踏み切れないんだと思います。
世界大会ですら近年やっとまともになってきたってぐらいですからね。

じゃぁもっと競技者を増やすにはどうしたいいのか。
レベルを上げるにはどうしたらいいのか。
と、考えた結果。

ワークショップを行う。

大会を開く。

ではなく、一回文章で自分が何を考えてAP部門とはどういう部門でどうしたらいいのか。
ということをまとめた方がいいとなったので、今回記事を書いてみることにします。
パフォーマンスなんて正解のない分野ですから、私的な考えがほとんどです。
文章も得意じゃありません。
なのでここに書いてることがすべてではなく、参考程度にしてもらえたらと思います。

 

■AP部門の歴史

パフォーマンスを語る前に、そもそもAP部門の歴史を振り返ってみます。
自分で言うのもなんなんですが、私の2001年の1A フリースタイルがきっかけで生まれています。
当時2000年に1A部門にて優勝していた私は、チームTOPのボスであり、同じく2000年X部門優勝のミイ君とよく話をしていて
連覇を狙うのもいいけど、チャンピオンには優勝の先を進む使命があるんだ。
だから僕たちは優勝した先にあるものを目指そう、みたいなことを言ってた記憶があります。(ミイくん違ったらごめん)
そこで生まれたのがパフォーマンスや表現にベクトルを置いたスタイルを披露しよう。
勝てなくてもいいから指針を示そう。そういって出来たフリースタイルが2001年の演技になります。
そして演技後、今でいうグランドマスター達に賞賛をいただき、翌年AP部門を創設するから!という話を聞きました。
なので、私だけでなく、ミイ君のフリースタイルもあわさって生まれたのがAP部門なのです。

そんなAP部門ですが、正直パフォーマンスに関してはプレイヤーたちは皆手探りで
皆迷走していたなと思います。だってパフォーマンスに規定なんてないですから。
だからこそ、その中でいろんな可能性が生まれてました

ビートボックスにいち早く組み合わせた人

ストーリーを紡ぎだした人

ダンスと融合を試みた人

かっこよくやった人

心象風景、自分の世界観を表現した人

沢山のヨーヨーのパフォーマンスの可能性が生まれてきました。
未熟だったかもしれませんが、ヨーヨーの可能性としては宝だったと思います。
まぁゴミのような演技も沢山でてきましたが(笑

そんなヨーヨーの表現として、可能性の沢山残されているのがAP部門だと思います。

 

■何をやったらいいのだろうか

 

Q:じゃぁ具体的にどんなことをしたらいいのかわかりません。

A:なにをやってもいいんだよ。

 

ヨーヨーのパフォーマンス、表現として沢山の可能性が残されていますが、大会である以上審査はあります。
審査はしますが、言ってしまえば好みっていう部分が最後には出てきます。
例えばSPINATIONの2013年と2014年では、2014年のほうが好意的な意見が多く聞こえてきました。
しかし2013年のほうがいいという意見もちゃんとあります。

そうです。

好みです、ちゃんと言うなら「思想」とかですかね。

SPINATIONの演技でいえば、ヨーヨーらしいパフォーマンスがいいと思う人は2014年だし
ストーリー、雰囲気、キャラクターがいいと思う人は2013年でした。

AP部門の審査方法は1A~5Aのような加点ポイントがあるわけではないので、ジャッジ一人一人の裁量にかかってまして
その好みや思想に著しく影響されてしまいます。

これはどういうことかというと、勝つための方法が無いということです。
何をやったらいいのか分からないのです。

分からないからこそ、自分の良いと考えるパフォーマンスを実行するしかないのです。

だから何をやってもいいのです。

何かをしなくちゃならないってことはないのです。
ストーリーをつくって演技しなくちゃならない。
チームでかっこよくやらなきゃならない。
変わったことをしなくちゃならない。
大がかりな装置で派手にしなくちゃならない。
全部ちがいます。なにをやってもいいんです。
ヨーヨーを持たなかった人もいるぐらいですから。

そして技術を見ているわけでもないので、ロングスリーパーや犬の散歩、ブランコなどの基本トリックしか出来なくても優勝できる可能性があります。
トミーの2004年の演技なんて技だけでみたらひどいものです(笑

技という思考を一回捨てる。
そんな勇気も必要かもしれません。

もしかしたら世界チャンピオンになれる一番近道かもしれないです。

(APに関する思想は人それぞれなので、さらに踏み込んだ話は割愛)

 

■結局どうしたらいいのかさっぱりわからん。

私たちも毎年なにをやるのか頭を悩ませているので、
これをやったら大丈夫!!みたいな答えは出せません。
でもステージに立ち人前で表現する者として最低限のルール、立ち振る舞いはあります。

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ちょっとイメージしてもらえばわかると思いますが、
簡単にいうと、自分のかっこいいと思う自分をやればいいのです。

だらだらと立って、
下を向いてずっと技をやってて
内輪受けのネタに走る。
これは最もやってはいけません。
そんな自分かっこよくないですよね。

ステージに立つって怖いです。
広いステージに自分は一人、お客さんは沢山。
視線が自分に集中して、何をやるのかという期待、プレッシャーで押しつぶされそうになると思います。
でもそこで楽なほうに逃げるほうに行ってしまうとお客さんは一気に覚めてしまいます。
そこで逃げずに戦えるように練習してきてるはずですから、怖がらずいつも通り、練習通り、構成通りにやればいいのです。
そうすると集まる視線も気にならず、自分の演技に集中することが出来るはずです。

そして勝負は演技が始まる瞬間ではなく、始まる前、ステージにのぼって準備する段階から始まっています。
なのでSPINATIONでは、名前を呼ばれた後にステージに上がる瞬間からをシュミレートして練習しています。
そこから準備していればもう何も怖くありません。

とまぁそんなSPINATIONの練習について話が出たところで
自分たちの演技を元に、実際にどうやって作ったのかを紐解いていきたいと思います。

もちろん題材は2014年の演技。

あの演技はトミーが太鼓を表現したい。そう言ったのが始まりです。
そこで最初の太鼓をドコドコやっているパンチングの絵が最初に浮かびました。
言ってしまえば最初の太鼓がすべてであり、後の演技は太鼓を成立させるための演出、形容詞だったりします。

そこからテーマが生まれてきました。
太鼓を表現したい

和風なイメージ

今年はしっかりヨーヨーを魅せたい

優美なシンクロされた演技。

というのが大枠です。

次に曲が決まらないと振付が決まりません。
候補の曲をいくつか出しては没にして、出しては没にしてました。
テーマより先に「この曲のこの瞬間にこういうパフォーマンスしたい!」っていう閃きみたいなものが浮かんだら
テーマより先に曲を決定することのほうも多いですが、2014年は逆でした。
そして曲が決定。

後は振付をしていくだけです。
技と体の動きを考えながら試行錯誤します。
最初はしっくりこない感じでしたが、ビデオでとって何度も客観的に見ることで徐々に修正をしていきます。
このビデオで見るっていうのがとても大事で、客観的にみるということが出来るつもりでも難しいのです。
頭の中の自分と実際の自分というのはかけ離れているものです。
思っている以上に自分ってかっこ悪いんですよね。
だから今自分がどれぐらいの動きをしているのか、もっとやったら次はどう変化したのか
しっかり見て把握することが、よりよいパフォーマンスにつながっていきます。
これは競技部門でも同じですよね。

そしてあとは反復練習。
頭で考えないで体に染み込ませて、自然とその演技に体が反応するようにしていきます。
私たちはおよそ一か月、構想から実際に練習までをみっちりやって世界大会に臨みました。

そして本番。

ざっくり書くとこんな感じです。
特別なことは何もしてません。
自分のリソースにある知識と経験から、テーマにそった演技を考えてただけです。
競技部門とほとんど変わりません。

 

おっと忘れてました。
本番にあたって準備することがあります。
それは衣装です。
自分のパフォーマンスをより際立出せるための衣装です。
ごてごてした派手は衣装を着ろというわけじゃありません。
黒パンツに黒シャツでも演技内容にあっていれば十分衣装です。あってれば。
SPINATIONの場合、和風イメージだったので袴をチョイス。
黒の袴では地味なので、自分たちのカラーを表現したペイントを施しました。
ハイパーヨーヨーのイベントでカンフー衣装でパフォーマンスしてくれた子もいました。
とてもわかりやすいですよね。
衣装はずっと目につくし、面積も大きい、一目でテーマが分かるとても重要なファクターです。

そして意外とやってみると変わるのがメイクです。
「衣装はまだわかる。でもメイクってwwww」
そういうイメージを持つ方もいるでしょう。
でもメイクも人前で自分をよりよく見せる。自分の世界をよりわかりやすく表現するための演出です。
アイラインを塗ったり、タトゥーシールをはるのもいいでしょう。
ちょこっとプラスするだけで劇的な変化をもたらすので
自分を鏡でみたときに驚くと思いますよ。

メイクつながりで顔周りをイメージしてもらえたと思うので、もう一つ付け加えると
表情も大事なファクターになります。
自分の表現するパフォーマンス内容にあった顔をしてればいいのです。
無理に笑顔をつくったり、気取ったりする必要はありません。
どのタイミングで前を向いて決める!とかも決めておくといいでしょうね。

 

■演技の作り方まとめ

作り方として以上になります。
沢山書いてきましたが、ポイントとしては

①:やってみたいこと、魅せたいことを決める
②:技、動き方、見せ方、衣装、を決める
③:しっかりステージでやりきる

おそらくこれだけです。

見せたいことは何でもかまいません、チームで仲良く楽しくヨーヨーをする様でもいいです。
一人で独自の世界観を表現するでもいいです。
ネタトリックを延々を繰り広げるでもいいです。
コメディ、シリアス、ヨーヨーさえしてれば何をしてもいいはずです。

しかしパフォーマンスですので、
他人に見られているということを意識して、
ステージに立つ人としてしっかりと立つ。
決めてきたことを演じきる。
それが一番大事だと思います。

そして終わった後に出来が悪くても礼をして颯爽と帰る。
たまにいますが、あまりの不出来に不機嫌そうにして帰る人が競技部門で見受けられます。
これはもう印象最悪ですよね。
自分の感情はステージを降りてから爆発させましょう。

実際のパフォーマンスを直にアドバイスする機会もなかなかないので文章で書いてみましたが
文章だけでは伝わらないなぁ~と思ってます^^;
この辺で打ち切りますが、もしなにか本気で聞きたいという方がいれば練習会などでお話することは出来ると思います。
お気軽に声を掛けて頂ければと思います。

 

■2015年は日本で世界大会が行われるから

2015年はついに日本で世界大会が開催されます。
私としてはAP部門にて高いレベルのパフォーマンスが繰り広げられ
より多くの一般の人の目にとまり、ヨーヨー業界が活性化することが望みです。

そのためにはもっと沢山の人にAP部門に参加してもらいたいと思ってます。
きっと面白いことを考えてる人はヨーヨー業界沢山いるはず。

でもAP部門って今までの参加者の傾向から
現役を退いた隠居組が戯れ的にやってるとか
あんまりかっこよくないとか
すごくマイナスイメージがヨーヨー業界にあると思うんですよね。

そうじゃなくて、自分たちのやってみたいことを思いっきり発揮できる自由な場所だと思ってます。

もし世界大会のAP部門に参加を考えてる人がいたら相談にも乗ります。
ライバルを増やすようですが、それでも負けじとこちらも頑張りますので問題ないです。

そして日本でもAP部門が開催されるようになること。

後はパフォーマンスのみの大会が開催できるようになること。

そうなったら私はとても嬉しいです。
長文お付き合いありがとうございました。

 

 

という文章を書いてました。

2018年についに日本でAP部門が開催されるということで、個人的気持ちはすごく盛り上がっています。

僕が出るということではなく、部門そのものが盛り上がってほしいと思ってます。

そうなると!いいな!

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